屈指症についての調査レポート
麻痺や屈指症はみなさんにとっても身近な問題ということをご存知でしょうか?
当社では地元自治体、地元大学機関と連携して補装具の支給判定機関で麻痺患者の皆さんへの聞き取り調査を実施してまいりました。コロナ禍の影響もあり有効回答数が8件となりましたが、以下にその記録を記載します。
アンケートの回答者は男性4人・女性4人の計8人、年齢は30代〜70代でした。麻痺の原因は脳性麻痺が1人・脳血管障害が7人で、そのうちの5人の方が、これまでに歩行訓練や生活動作訓練などを行なっています。
半数の方に「足の痛み」があり、その治療法は主に内服薬のみの治療やボツリヌス療法※との併用をしています。また、何らかのリハビリテーション機器を使用していることがわかりました。
※筋肉を弛緩させることにより、一時的に拘縮を解除する療法。
また、痛みを感じる4人のうち3人が「屈指症」を発症していました。今回の調査で、屈指症の3人は「緊張時」「歩行時」「立ち上がる時」などで指が曲がり、痛みを感じています。屈指症による痛みに関する治療を受けた方は1人・受けずに我慢している方が2人という結果が出ました。
私たちは、屈指症は脳卒中などの脳血管障害や脳性麻痺などの付随症状として捉えられており、主たる病気の治療が優先されるため痛みを我慢しているのではないかと考えています。
次に、足の痛みや麻痺により歩行が困難になった方の「生活」について質問しました。
「人前に出るのが億劫」など、心理的な理由で社会参加の機会が減っている一方で、車いすや下肢装具などを使用してバスや電車に乗る時など「移動時の問題」を挙げる方もいました。
最後に、「屈指症の改善後に何をしたいか」を訊ねたところ、旅行、スポーツ、趣味が回答欄にある中、「散歩」と答える方が多く、普通の生活を取り戻したいという思いを感じました。
私たちは、開発当初より、この「普通に暮らしたい」と願っている方々の思いに寄り添い、より良い人生の手助けとして少しでも役に立ちたいと一心に願っております。