6年ほど前に、私たち夫婦は高齢者と障がいを持つ子供たちを受け入れる施設を立ち上げ、温水プールで歩行訓練を行うプログラムを開始しました。
プログラムに参加する皆さんの中で、脳血管障害が原因で半身麻痺の男性Aさんがいました。彼の足の指は麻痺の2次障害で曲がった状態で、歩く度に激しい痛みを感じていました。入浴も足の指の痛みから、浴槽をまたぐことができず、シャワー浴のみの生活を余儀なくされていました。
さまざまな治療やリハビリを試みましたが、なかなか改善されません。私たちは、どうすればAさんの痛みを和らげることができるか、気がつくと考えるようになっていました。
私たち夫婦は、仕事が終わり自宅に帰ると、カルちゃんや他の子どもたち、ランちゃん(ミニチュアダックスフンド)、さくらちゃん(チワワ)、ケンケン(猫)と過ごします。そんな中、ある日、“To walk” のアイデアを思いつきました。
すぐ傍には、カルちゃんがいつものように甘えています。
現在、Aさんは、サンダルにTo walkを装着し、家庭での入浴はもちろん、温泉も楽しまれています。30分以上続けて散歩することも出来るようになりました。
日々、生活を送るということにどんな意味があるのか、私たちは多くの事を学びました。
“To walk”の特許が成立したのは、カルちゃんが亡くなり、 お葬式をすませ、少し時間が経過した2021年3月17日でした。
私たち夫婦は、“To walk with Cal”が多くの人々の役にたち、 歩くよろこびを取り戻す事を“カルちゃん”と共に願っています。